「カティンの森事件」を知れ! – 権力者は人を殺す(Echotamaのブログ)

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また重たい長文で恐縮です。1日過ぎてしまいましたが、4月13日は「カティンの森事件」の発表(1943年にナチスドイツによって)と公式に認めた日(1990年にソ連のゴルバチョフ書記長によって)です。「カティンの森事件」は長らくソ連が隠ぺいし、アメリカとイギリスも情報を掴んでいながら第二次大戦でのソ連に忖度して公にしなかったこともありますが、日本での知名度は一層低いと感じます。ソ連赤軍が1940年にポーランドに侵攻した時のポーランド人捕虜約22,000人を、ソビエト内務人民委員部(NKVD)が虐殺した、稀に見る犯罪行為です。

2007年(平成19年)製作・公開のポーランドの映画 アンジェイ・ワイダ監督(自らの父親もまた同事件の犠牲者)

首謀者は最高指導者であるソビエト共産党書記長であるヨシフ・スターリンと政治局。射殺を提案したのは当時ナンバー2でNKVD長官だったラヴレンチー・ベリヤです。ベリヤが書いたたった4ページの書簡で、2万人以上の命が奪われたのです。NKVDはソ連の治安と警察権力の一切を統轄する組織で、ベリヤはそのトップとして独裁的に権勢を揮い、逮捕、拷問、追放、粛清、収容所送り、強制移住をはじめ、シベリア抑留など外国人捕虜を収容する収容所を管轄する最高責任者でもありました。スターリンがニコライ・エジョフ(ベリヤの前任。失脚して自らも銃殺される)とベリヤとともに殺害した人数は、追放・強制移住や抑留中の餓死・病死・凍死等を含めると諸説あり、800~1000万人に達するという説もあって定まっていないほどです。「カティンの森事件」は凄惨な大量殺人ですが、ほんの一部にすぎません。ベリヤはスターリンとともにヤルタ会談に出席した際に、アメリカ大統領F.ルーズベルトに「うちのヒムラーです」と紹介されたそうです。ベリヤはその後失脚して自分もやはり銃殺刑になっています。

ホロコースト、粛清、戦争。人が人を殺す。政治が人を殺す。権力が人を殺す。スターリン、エジョフ、ベリヤ、ヒトラー、ヒムラー、ゲッベルス、毛沢東…。大量殺人を犯した者は何人もいます。彼らが特別だったのでしょうか?いいえ。彼らもまぎれもなく人間です。歴史をたどれば、大量殺人は決して珍しいことではなく、むしろ「人類の歴史は殺戮の歴史」と言っても良いくらいに思えます。ハンナ・アーレントは「リアリティとは、『ナチは私たち自身のように人間である』ということだ。つまり悪夢は、人間が何をなすことができるかということを、彼らが疑いなく証明したということである。」と言いましたが、「ナチ」をソ連に読み替えてもいい。中国もそうかもしれない。ロシアに読み替える人もいるかもしれない。ウクライナも単なる被害者ではないかもしれない。日本はそうではないと言えますか?世界中「人間は殺人をなすことができる」生き物だという事実は、認めないわけにはいかないでしょう。権力を持つと使わずにいられない。権力者は人を殺す。あなたも、私も、誰でもみんな。

日本で国民主権ですから権力は国民にあることになっています。政治家はその代表者にすぎない。官僚が偉いわけでもない。裁判官が偉いわけでもない。一番偉いのは国民です。夏には国政選挙(参議院選挙)があります。主権者として、自分の代わりを熟慮して選ぶ。それがいかに大切で貴重な行為なのかは、歴史が証明しています。