以前T先生や唐澤先生とやり取りさせていただいて、カテナリー曲線(懸垂線)や、NTT中央研修センタのトラス屋根、マクローリン展開、双曲線などのことなど書かせていただき、T先生の「生徒には、目に見える形あるものは全て式にできるのよ、と話します」という素晴らしい言葉を伺うことができました。そうなんですね。全ては数式に依り、数式自体が既に美しく輝いているのです。
充実した有意義な話ができたと思っていたのですが、先日、H田さんの投稿を見て、数学と美というテーマであれば、大事な議論が欠けていたことに気づきました。「クロソイド曲線」です。点対象となる稀少さ。そして、やはりきわめて美しい。数式はきわめてシンプル。しかも、車のハンドルをきったときの軌跡となるので、高速道路等はクロソイド曲線で設計しないと事故を招くという必然性をもっている。だから高速道路のジャンクションは、意図せずともあのような美しい形になっている。
この、「必然=余計なものがない=純粋=美」という論理の爽やかな輝きは、バウハウスのミース・ファン・デア・ローエのモダニズムにも、音楽(モーツァルト、フーゴ・ヴォルフなど挙げればきりがありません)の世界にも通じていると思っています。おお、そうだ!先日バレエの知識と格闘したら、やはりバレエの美にも通じるものがあった!数学は芸術です。建築ももちろん。数学・建築・音楽・バレエ、あるいはもっと多くの芸術が、実は一つの根っこでつながっているのかも……いや、必ず繋がっているに違いありません。