毎日、駅への近道として、公園の中を通っています。そこでは今、アヤメに似た花が群落になって、盛りを迎えています。調べてみたら射干(シャガ)というアヤメの仲間でした。4〜5cmの可憐な花で、心が癒されます。
中国原産の花ということですが、3倍体で減数分裂ができない(種子ができない)ため、人間が生花を移植しないと分布地が増えることはないそうです。一度定着して初めて根茎が広がり、群落状に増えていきます。
いつ頃中国から渡ってきたのか不明らしいのですが、古代の誰かが生花を日本に持ち込んだのです。長旅の危険の中なのに。それほどまでに、この花に魅せられたのでしょうか。古代のロマンを感じます。
今の時代は外来種がどうとか制約がありますが、当時は花の美しさが全てだったでしょう。そして人為的に全国に分布させていったのです。そう考えると、花を愛でる優しい人の気持ちが感じられ、私の気持ちも癒されるような気がします。花と優しき人たちに寄せて。
