東京厚生年金会館(東京・新宿)2062席 ※閉館
今年3月に約50年の歴史に幕を閉じた名ホールでした。ホールには「格式」のようなものがあり、当ホールは第一級の「格式」を備えていると認識されていましたので、毎年「年金で定期演奏会をする」ことは大いに誇らしく感じたものです。
最近はミュージカルや、ポピュラー音楽の公演で使われることが多かったので、生声の響きのイメージがわきにくい方もいらっしゃるかと思いますが、少し残響が短めではあったものの、合唱の演奏会場としても十分な音響でした。
また、2階席奥までの距離が近く設計されており、2000を超えるキャパシティでありながら客席との一体感が感じられたことも貴重でした。
大阪のフェスティバルホールとともに、残してほしいホールでした。
ちなみに、東京厚生年金会館は大阪のフェスティバルホールを一回り小さくしたような構造をしており、類似点が多く見られました。フェスティバルホールが1958年竣工、東京厚生年金会館が1961年竣工なので、フェスティバルホールを参考にした部分が少なからずあったのだろうと推測しています。その東西の両雄たる歴史あるホールがいずれも同じ時期に解体の憂き目に遭うのは悲しい巡り合わせです。
写真は在りし日の厚生年金ホールです。(第104回定期演奏会 1979/12/9)