東京芸術劇場(東京・池袋)大ホール1999席
池袋駅西口から抜群のアクセスを誇ります。ホールの「格式」としてもトップクラスに位置づけられるので、私たちは上野の東京文化会館が使用できないときの次善策として使用するケースが多いです。開館して20年が経ちますが、まだ古びている雰囲気はありません。
ただし苦言をいくつか。地下鉄有楽町線の騒音を避けるため?大ホールは7階に設置されています。そのため、5階ロビーまで長大なエスカレーターを乗り、さらに最低でも7階にある1階席までのエスカレーターに乗ることになります。2階席はまたエスカレーター、3階席はそこからさらに階段を上がらなければいけません。全席指定(後述)のため、良い席をとるために早めに行こうという意識は働きませんし、律儀に決められた席まで行かなければいけません。池袋駅からの距離が近いだけに、建物に入ってからから客席まで長時間かかることは想像しにくいお客様が多いのでしょう。オンタイム(時間通り)で演奏会を始めると、多くのお客様が開演時間に間に合わず着席できない事態が発生します。私がマネージャーをやる際は、少なくとも公表されている時刻より5分押し(遅らせて)で進行させています。
また、音響について、残響時間が長めなのは良いのですが、3階席の左右の奥に分かれて2種類の残響が吸い込まれていくような不思議な感覚があり、歌っていて少々違和感があります。
また、このホールはキャパシティを超える発券と立見を禁じていますので、必然的に全席指定となります。「歩留まり」の率が低いと、空席が目立つことになりますので、チケットを負担する団員に対して、安易にチケットをばら撒かないように徹底しなければなりません。
後日記:2011年~2012年の改修によって、3階席を左右に分ける壁が取り払われ、残響の違和感はなくなりました。また、以前よりもさらに残響が増したように感じられます。改善されたのは良いことなのですが、一体あの3階席の壁は何だったのだろうと思います。当初の設計のうえではシミュレーションを重ねて、わざわざ作った壁だったはずです。ホールの音響設計って難しいのですね。