合唱団イクトゥス第11回定期演奏会(いきっつぁんの演奏会探訪)

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23日の祝日には二つの演奏会を聴いた。

【2022年11月23日浦安音楽ホール・コンサートホール】合唱団イクトゥスの演奏会を聴くのは数年ぶり、と思っていたらなんと9年ぶりだった。前回は京葉銀行文化プラザ音楽ホールで、その後このホールがなくなってしまったのはいかにも残念。今回は浦安音楽ホールでの開催だが、このホールも3年半ぶり。初めて2階席で聴いたのだが、2階は響きすぎの感がありあまりよくなかったかもしれない。

イクトゥスを知ったのは多分ツイッター経由だったと思うが、明混出身の高橋さんは今や千葉合唱界のレジェンド。コンクールには出ないが知る人ぞ知る存在になっているのがすごい。いろいろな期待があって楽しみにしていた。

ステージごとに丁寧なトークがあったのは、高橋さんの職業がなせる業かも。ちょっと気になったのは1ステの「ゴンドラの唄」の説明で、松井須磨子の歌がラジオで広まった、との話。須摩子がスペイン風邪で死去した島村抱月を追って自死したのは大正8年の事だが、その頃はまだラジオ放送はなかった。日本のラジオ放送の初めは大正10年の事だから、大正4年に発表されたゴンドラの唄がラジオに載って広まった、ということはあり得ない。まだラジオが無い時代なのに口伝えで広がったということがどれだけ大変な事だったかはちょっと想像できない。

そんなこだわりとは無縁に演奏は進んで行く。1ステの3曲「ゴンドラの唄」「秋の女よ」「はっか草」は叙情豊かにハーモナイズされ、ほんわかとした温かいステージとなった。2ステはSEIGI氏にイクトゥスが委嘱した3曲。実は私はSEIGI氏には少し恩義があって、京葉銀行音楽ホールでの演奏会の時(イクトゥスのではなかったかもしれない)、その1階のレストランのランチバイキングが値段の割に食べ応えがあるとツイッターで教えてもらったことがある。その後何回かこのバイキングは私が千葉を訪問する時の楽しみになった。このステージは心地よいハーモニーに誘われて夢うつつとなりあまり印象に残らなかったのは残念だった。

後半は外国作品で、3ステではWILL TODDの英語の宗教作品5曲。ラターを思わせる美しい和音が続くが、ラターらしい旋律は巧みに避けてTODD独自の英国サウンドを存分に聴かせてくれた。このステージが私の一番気に入ったステージだったが、英語の言葉がよく聞こえなかったのが残念だった。外国語の中でも発音を一番そろえにくいのが英語ではないかと思うのだが、その原因には最低でも6年間誰でも受けたはずの英語教育にあって、各自自己流の発音が身についてしまっていることが大きな障害になっていると思う。それを乗り越えるためには合唱練習で口の形をそろえる練習を重ねる必要があるが、コロナ禍でマスクをつけての練習ではそれができない。合唱指導者の苦労がしのばれるが、乗り越えられない宿命としか言えない。音楽的には十分出来上っていたので、コロナでなければもっと聞きごたえのある演奏に仕上がったことだろう。4ステはやはりイギリスの女流作曲家マクドウォールの「Ave maris stella」ソプラノソロを交えた壮大な作品で、本邦初演かも知れないとのこと。ラテン語なので英語ほどの問題は感じなかっので、やはり英語歌唱が課題なのだろう。確かに聴いたことの無い曲だったがよく訓練された合唱が美しいハーモニーを聴かせてくれた。

コロナのために減ったというが女声12男声8の20名でこれだけの声量があり、聴きごたえのあるハーモニーを聴かせてくれたのは大成功だと思う。9年前にはもっと人数が多かったと記憶するので、復帰できないメンバーが同数近くいるのだろう。一日も早く全員が復帰して存分に歌える日が来ることを望んで止まない。

出演は、指揮 高橋英男、ピアノ 名倉扶希、Sソロ 田村幸代の皆さん。

なお今回は高橋さんからのご招待だった。ありがとうございました。

いきっつぁんのプロフィール:早稲田大学卒業。在学中混声合唱団に所属。現在はレクイエム・プロジェクト東京いのりのとき合唱団、日本ラトビア音楽協会合唱団ガイスマに所属。



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