早稲田大学混声合唱団第67回定期演奏会(いきっつぁんの演奏会探訪)

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【2022年12月26日横浜みなとみらいホール大ホール】早稲田大学混声合唱団の第67回定期演奏会を聴いた。私の学生時代最初の定期演奏会が第17回だったので丁度50年になる。コロナ禍でずいぶん人数が減ってしまったがそれでも50年前より多い。しかしこの人数でオーケストラ・ソリストをプロに頼んで演奏会を開くのは大変なことで50年前にはまず考えられなかった。OBOGに寄附の依頼が絶えないわけだ。コロナ禍の活動停止で崩壊状態の学生団体が数ある中で、メンバー表では今年の新入生は23名がオンステしていたようで、一つ上の学年が一桁ということに比べれば再び隆盛に向うと予想できるのには安心した。

前半は学指揮ステージで、鈴木輝昭さんの「誕生祭」。アカペラの組曲で内容はかなり難解。少人数でもハーモニーは健在で和音が心地よく鳴り響く。しかしぼうっとして聴いていると言葉に追いつくことができないのが悲しい。演奏には多大な拍手がささげられた。そして異例の展開があったのは、ここで学指揮アンコールを2曲演奏したこと。後に控える大曲のことを思えば妥当な判断だったとは思うが批判もあるかも知れない。

後半は早混としては4回目のブラームス「ドイツ・レクイエム」。この曲は毎年必ずどこかで演奏されていてそのいくつかは聴くことになるので、相当聴きおぼえてきたつもりでいるが、それでもきっと専門家の1割か2割もわかってはいないのだろう。毎回少しずつ新しい発見があるのは楽しい。6曲目のバリトンソロはメサイアの第3部のソロと内容が同じだということに今頃気がついた。3Bと言われるくらいだからバッハやベートーヴェンとの関係は言われているが、ブラームスとヘンデルの関係というのはどうなのだろうか。

演奏にはOBOGが13名加わって70名あまりの編成だったが、マスクをしている人もあるのとやはり普段からの練習の不便に依るのだろう。ドイツ語の言葉がよくわからなかった。ソリストはスイスから一時帰国のOGでもある榎本さん。ますます磨きがかかって表現幅が広がったように感じた。バリトンはおなじみの北村さんで貫録の安定感。6曲目が終わったところで拍手する人が出るのはこの曲の宿命かも知れない。アンコールは学生指揮者が定番の「早稲田の栄光」を演奏し、ライトを消す演出で終演。

出演は、指揮 八尋和美、S 榎本桂子、B 北村哲朗、管弦楽 東京バッハ・カンタータ・アンサンブルの皆さん。

いきっつぁんのプロフィール:早稲田大学卒業。在学中混声合唱団に所属。現在はレクイエム・プロジェクト東京いのりのとき合唱団、日本ラトビア音楽協会合唱団ガイスマに所属。



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