都留文科大学合唱団の演奏をYouTubeで聴いてみました(Echotamaのブログ)

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都留文科大学合唱団は、先般「早慶徹底比較!上田真樹先生作曲『終わりのない歌』」で述べたように、全日本合唱コンクールで12年連続の金賞に輝き、ついに昨年(2021年)は常勝でコンクール命の盟友・関西学院グリークラブを破り、初の文部科学大臣賞(第1位)を獲得しています。

大学生以上はNHK全国学校音楽コンクールがないので、全日本合唱コンクールがほぼ唯一の全国コンクールといえます。すなわち「日本一の合唱団」と名乗る権利を与えられたようなものです。実際に関西学院グリークラブのキャッチフレーズは「日本一の合唱団」です。

都留文科大学合唱団の演奏を聴いてみると、確かに「うまさに感心」します。まずは声の肌触りが良い。訓練された、ベルベットのような音質の良い声が耳を捉えます。発声の指導が行き届いていることが容易に感じ取れます。

次に、声の破綻がない。ソプラノやテノールが、難しい高音域でも力任せに無理して声を出すことが無く、うまく響きに乗せて処理しています。安心して高音が聴けるのは大きなメリットです。これも訓練によるものでしょう。

また、特定の人間の声が突出して聞こえてくることがありません。指揮の清水雅彦先生のご指導によるものでしょう。発声の仕方、口の形が良く揃っていないと、どうしても特定の人間の声が聞こえてしまうのですが、うまく処理しています。慶應ワグネルや同志社グリークラブなんぞはソリストの集合体みたいなものですから、むしろ歌える人間(通称「大砲」)の声を軸にしている要素が強いのですが、おそらく都留文科大学合唱団は、最初から各自の声を揃えることを意識して訓練していると思われます。

さらには、ハーモニーのバランスが良く安定しています。音程も正確でハーモニーが崩れることがなく、特定のパートが目立つこともありません。

こうして並べてまとめてみると、「うまさに感心」「欠点がなく安心して聴ける」のが特徴だと言えるでしょう。……ん?これって、関西学院グリークラブと同じじゃありませんか?

コンクールにむけた最適解を追求していくと、都留文科大学合唱団や関西学院グリークラブのようになっていくということなのでしょう。コンクールの採点は順位点の合計です。順番に順位をつけるにあたっては、どうしても、よく訓練されて欠点がない団体が上にならざるを得ません。突き抜けた個性は、評価が分かれてしまうことがあり、審査員全員から安定した高評価をいただける保証がないからです。「数で決まる」コンクール特有の宿命です。

都留文科大学合唱団も、関西学院グリークラブも素晴らしい合唱団です。しかし、それも「コンクールでは日本一の合唱団」という一つの「個性」でしかありません。別の素晴らしい「個性」を備えた合唱団が他にもたくさんあるのです。それらは比較不能です。例えば、本能で歌っている早稲田大学グリークラブは、仮にコンクールに出たら全く順位が上がらないでしょう。でも彼らの演奏は唯一無二で、誰も真似できない「感動」があるのです。

「うまさに感心」するだけでなく、胸を震わされるような「感動」する演奏に出会うとき、どちらが上かどうかなんぞ考えて聴いているわけではありません。時々クラシックの名盤を「こちらが上」とか順位付けしているブログ等に出会うことがありますが、「個性」が異なっているものを、オリンピックのように順位を付けることは不可能かつ無意味です。「個性で競い合う」ことを認め合うことこそ、あるべき姿なのではないでしょうか。

今週末の日曜日6月26日18:00から、第71回東西四大学演奏会(東西四連)が京都で開催されます。東西を代表する四大学の合唱団が3年ぶりに一堂に会して、まさに「個性で競い合う」のです。(50音順)

・関西学院グリークラブ

・慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団

・同志社グリークラブ

・早稲田大学グリークラブ

どこの演奏が良いのか、ぜひ聴き比べてみてください。人によって見解が分かれることでしょう。「個性」が違うのですから、当たり前です。それで良いのです。

ネット配信チケットが購入可能ですので、京都に行かなくても視聴できます。ぜひお聴きになってください。

<配信期限切れです>

都留文科大学合唱団の素晴らしい演奏を聴きたい方は、こちらのYouTubeチャンネルをどうぞ。

https://www.youtube.com/channel/UC8GRdX3QNHCvXDHhlbCkcIw/videos