ラ・フォル・ジュルネが4年ぶりに帰ってくる。フランス南部の港町ナントで始まった「熱狂の日」という名前の音楽祭は日本では2005年から東京国際フォーラムで始まり、地方都市での開催も併用されつつ継続していたのだがコロナ禍で3年間開催ができなかった。低価格で世界の一流演奏家のコンサートが聴けるのは大変魅力的で、必ず合唱団も招聘されるので楽しみの一つだった。今年は東京国際フォーラムに加えて池袋の芸術劇場も会場として予定されている。
そのこと自体は好ましいことなのだが、ここに問題がある事が解った。東京芸術劇場にはすでにほかの団体の予約が入っているのだ。ラ・フォル・ジュルネは5/3~5日の3日間なのだが、5/3のコンサートホールでは東京六大学混声合唱連盟、5日には豊島区管弦楽団の演奏会が予定されているのだ。シアターウエストにもほかの演奏会などの開催予定があり、ラ・フォルジュルネの予定は劇場のコンサートカレンダーには掲載されていない。
これは一体どういうことなのだろうか。思うに毎年使用していたラ・フォル・ジュルネが東京芸術劇場を抑え忘れていたためほかの予約が入ってしまったとか、あるいは長期でこの日程の契約があることを失念して劇場がほかの予約を入れてしまったのか。どちらにしても混声六連にとっては寝耳に水の話で、仮に劇場から予約をキャンセルするように言われたとしてもおいそれとは応じられない。既に合同曲の練習も始めていて日程が変わればすべての計画が狂ってくる。ほかの団体とて同じことだろう。ではラ・フォル・ジュルネが会場を変えるのか。海外からのアーティスの多くの予定を調整し直さなければならずこれも困難だろう。そもそもどちらが譲るにしても今から同じ日程で同規模の会場を抑えることなど出来そうにない。ラ・フォル・ジュルネは既にチケットの先行抽選販売を始めており、3/8からは先行先着販売が始まる。3/25には一般販売も始まるのだ。
混声六連のチケットはまだ売り出していないし演奏会の情報も不思議なことに表には出てきていない。おそらく何らかの圧力がかかっていて出せないのではないだろうか。多くの企業スポンサーが学生の主催演奏会を力でねじ伏せるようなことがあってはならないと思うが、果たして真相はどのあたりにあるのか。いずれにしろ問題を隠し続けることはそろそろ限界にきているようだから、近いうちに明らかになるだろう。