昔、クラシック音楽に目覚めた頃、母と交わした会話。
母「ロシアの作曲家の曲はみんなロシアの土の匂いがする」(母はロシアに行ったことはないのですが)
私「ショスタコーヴィチもそう思う?」
母「そうね。だからショスタコーヴィチも含めてロシアの作曲家はみんな好き。あ、ストラヴィンスキーを除いて。ところでXX(私の名前)はラフマニノフの交響曲は聴く?」
私「ピアノ協奏曲は聴くけど、交響曲は聴いてない」
母「2番がすごくいいから、聴いてみなさい」…
- 出版社/メーカー: ポリドール
- 発売日: 1997/10/15
- メディア: CD
母はロシア音楽をことさら好んでいましたが、子供の頃からチャイコフスキーの弦楽四重奏曲第一番の第二楽章「アンダンテ・カンタービレ」が大好きだったそうなので、この曲でロシアの音楽に目覚めたと言ってよいでしょう。
以前にも書きましたが母は祖父母が共働きだったため曾祖父母に育てられました。曾祖父は器用貧乏な趣味人で、蓄音機も持っていたそうですから、母はこの曲を蓄音機で聴き親しんだものと思われます。そして私が中高生の頃は、母が買ったLPレコードを私が聴いていました。母は私にとって音楽の指南役であり、かつ同好の士といえる存在でした。
4年前、母の葬儀のとき、会場内のBGMはこの曲にしていただきました。母の音楽の知識が肉体とともに消滅してしまったのは、とても惜しく寂しいのですが、私には曾祖父からの血がこの曲とともに母を経由して流れているのを感じるのです。
- 出版社/メーカー: ポリドール
- 発売日: 1993/09/18
- メディア: CD
10月29日の母の命日に寄せて。