カール・シューリヒトという指揮者は、どうにもつかみどころがなくて困惑するところがあります。例えば、ブラームスのドイツ・レクイエムhttps://www.youtube.com/watch?v=LLw9BVm72wY&t=94sなんかを聴くと、もともとシューリヒトのテンポは速いのですが、それにしても「早く終わりにして飲みに行こうぜ」とでも言っているように聞こえてきます(私には)。フランス人にブラームスを歌わせるのがそもそも難しかったのかなあ。悲劇のフランス人ヴァイオリニスト:ジネット・ヌヴーがブラームスのヴァイオリン協奏曲の超名演を残していますが、やはりヌヴーが特別だったのかもしれません。
一方で、今日夕焼雲の鮮やかな紅が目に入ったとき、突然脳内でシューリヒト指揮ブルックナーの交響曲第9番が鳴り出すのです。以前、ネオワイズ彗星の写真を見たときもそうでした。大自然、宇宙など、人間の手の届かない遥か彼方から音楽がやってくるようです。オケがウィーン・フィルということもあるのでしょうが、音楽のスケールがまるで違うのです。https://www.youtube.com/watch?v=oqqoU72N6l0。YouTubeで聴けるとはいえ、ぜひCDをお持ちになることをお勧めします。
シューリヒトは良いとしても、これだけブルックナーを持ち上げてしまうと、天国の福永陽一郎先生が「君の耳はどうなっているのかね」と激怒しているかもしれません。(ちなみに私は福永陽一郎先生と会話したことはありません。恐れ多くて近くに行けませんでした)
もちろんカール・シューリヒトをドイツ語版Wikipediaから和訳したのは私です。私の前に、ファンと思しき方が思いの丈を綴っておられたのですが、若干主観的で出典に乏しく百科事典にそぐわない感がありましたので少々書き直しました。その後に再修正とか書き加えられないので、満足していただいていると良いのですが。