社会問題の投稿で失礼します。呆れてしまって、つい一言。
報道によると、公立学校教員の時間外勤務手当(残業代)を支払わない代わりに支給される「教職調整額」の割合が、現行の給与月額4%から10%以上に引き上げられる方向で検討されているそうです。
私は父と姉が教員で、祖母、叔父2人も教員という教員一家に育ち、教員の事情には通じているつもりです。
まずはお断りしておきますが、私は政治的な立場から発言しようとしているのではありません。世の中でよく教員はみんなサヨクだと誤解されていますが、教員の労組の組織率は現在わずか20%です。また、労組の主張は悪平等を招くものと考えている方もいるようですが、そのような立場に与するつもりもありません。申し上げたいのは、これから子供たちや孫たちを安心して公立学校に任せられるのか、それだけです。
教員は過労死ラインで青天井で働かせられ、残業代が定額(一般公務員のわずか4%増し)で、理想を持った意欲的な教員ほどしわ寄せを受けている。全て事実です。優秀な人材が教員になりたがらないのは当たり前です。だから残業代を割り増しするというのですが、4%が10%になったからといって、何が変わるというのでしょうか。ブラックな実態に切り込んだ改革にならなければ、教員を目指す青少年は減る一方でしょう。
正直なところ、指導力がある教員とない教員の差は歴然と存在します。その結果、対応が困難なクラスの担任、児童・生徒、保護者、地域、部活動がある場合などは、指導力のない教員には任せられないので、最低限(ですら無い場合もあります)の仕事が割り振られ、定時に勤務して帰っていきます。その結果、理想を持った指導力のある教員にその分の負担がしわ寄せされ、ブラックな勤務になります。
働かなくても、死ぬほど頑張っても、給料は同じ。教員に求められる負荷は大きくなる一方です。一方で指導力が無い教員ほど楽をしている。こんなことがまかり通っているのです。日本の公立学校の教育は危機的状況にあると言えましょう。
「(残業代を払えば)長時間労働を助長する危険がある。」いう議論があったそうですが、現に長時間労働になってしまっているブラックな実態についてはどう考えるのでしょうか。理想とやる気と意欲のある一部の教員の善意によってのみ支えられている公立学校に、子供たちや孫たちを安心して任せるためには、勤務実態に合った残業代を支給することは最低限のことだと思うのです。中教審(文部科学相の諮問機関・中央教育審議会の特別部会)に猛省と改善を求めたいと思います。