義母の遺品のCDと『千の風になって』(Echotamaのブログ)

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義母の遺品のCDが届きました。

「クラシックを聴くのはEchotama君くらいだから全部あげる」ということで全く異論なしだったとのこと。だいたい300~400枚くらい。どこに置くの~!?まあイザとなればブックオフだな。

ただ見てみると、クラシックだけでなくいろいろ混じっています。Enyaが何枚も出てきたのにはびっくり。好きだったんだ。あとは秋川雅史君(知人(後輩)の後輩だから『君』で)。『千の風になって』の人と言えばたいていの方はお判りになるでしょう。義母は車の免許は無いし、アマゾンなんか使えないから、わざわざCD店に行って買い求めたということなのです。

熱心なカトリックだった義母が「風になって吹き渡る」という歌詞に違和感を感じなかったのか、もう本人に確認する術がありませんが、不思議に感じます。他の宗教でもいろいろ議論はあったようですね。死生観が変化してきたということなのでしょうか。

ここで悪口を少し。失礼ながら『千の風になって』はちょっとひどい曲です。歌詞と曲が全然リンクしていません。曲の盛り上がりと歌詞との合わせようがない。本来なら抑えめに歌わなければいけない助詞が山場だったりします。例えば『空を』の『を』が曲の一番の山場になっているとか。こうなると歌詞と曲のどっちを優先して伝えるのか困ることになって、昨今ではたいてい曲を優先(つまり言葉が伝わるかどうかは二の次)にしてしまうケースが多いです。まあ本業が作家の新井満さんの作曲だから仕方ありませんけど。でもこういう素人の曲でも売れるんですね、というか、世の中にもっと良い曲はいくらでもあるのに、なぜこの曲が売れたのか不可解です。

秋川君はクラシックの声楽を世間に広めるには一役買ってくれたと思います。でも秋川君のジャンルは「クラシカルクロスオーバー」つまり流行歌との境目です。クラシックの本丸にもっと人が集まってきてほしい。特に今はコロナ禍です。演奏家は青息吐息です。ぜひ皆様のお力を貸してください。

おまけ:会社で「日本の歌手は世界に通用するのか」という話になりました。
私「ウィーンで主役を歌うとか、世界の第一線という歌手はいませんね」
「あの『千の風』っていう歌手はどうだ」
「いや、とてもとても」
「あれで世界ランク何位くらいになるんだ?」

そういう話ではないのですが……やっぱり声楽ってマイナーな世界なんですね。