府中の森芸術劇場(府中・東府中)どりーむホール2027席 ウィーンホール522席 ふるさとホール520席
1991年に開場した、ちょっとバブルの香りがするホールです。府中市の人口約26万人に対して合計3000席のキャパシティはずいぶん頑張ったなと思いますが、「芸術で街づくりをしていこう」という意気込みがはっきりしており、大いに良しです。
どりーむホールは多目的の大ホールながら、音響的にも悪くなく、フルオーケストラを鳴らしても十分鑑賞に堪えるものとなっており、多摩地域を代表するホールとなっています。
また、ウィーンホールはパイプオルガンを備え、木を使ったシューボックス型のホールで、音響的に非常に優れています。
さらに、ふるさとホールには桟敷席があり、花道の設定も可能で、伝統芸能や歌謡曲など多彩な演目が上演可能となっています。
あと、大事なこととして、レセプション・打ち上げも可能な大会議室「平成の間」が用意されており、館内のレストランからのケータリングが可能なのが非常に便利です。府中の市街地から少々離れた公園に位置しており、館外でレセプション・打ち上げ会場を探すのは困難ですので、大変ありがたいです。
ただし、問題は最寄りの東府中駅があまり便利とはいえないこと(特急が停車しないため、新宿から30分はかかる)、東府中駅からも徒歩7分とあまり近くはないことです。府中駅まで特急に乗ってタクシーに乗るのが一番便利かもしれません(タクシー代がかかることは別として)。この条件下で2000人のお客様を動員できる団体は少ないかもしれません。在京オーケストラの演奏会でも3か月に1回程度の開催にとどまっており、2000席で採算のとれる団体の公演の難しさを物語っているように思います。同じ東府中でも競馬場には10万人が来るのですが(競馬場は京王競馬場線やJR府中本町駅も使えるという違いはありますが)、芸術では集客は難しいのが悲しい現実なのです。
なお、2024年(令和6年)4月から2025年(令和7年)4月まで改修による閉館が予定されています。