今年(2010年)生誕150年と言えばマーラーが筆頭でしょうか。声楽ファンとしては同い年のフーゴ・ヴォルフも外す訳にはいきません。
とても激しくて、いやらしいほどシニカルで、どこまでも優しい…。シンプルかつ深遠な歌曲の泉に飛び込み、これほどまでの豊かさを注ぎ込んだヴォルフ。
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以前、知人に「ヴォルフの歌曲ってロックンロールに通じるところがある」と言ったのですが、同意を得られませんでした。
自分の身を削りながら、絞り出し、叫び、ほとばしる歌。純粋であろうするために、自壊(発狂)するしかない。昔、水野英子の「ファイヤー!」という漫画がありましたが、主人公のアロン・ブラウニングとフーゴ・ヴォルフのイメージがダブるのです。こんなことを考えているのは私だけでしょうか…?(年がバレる?)