①フロントチーフ(Echotamaのブログ)

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フロントチーフとは

 主催者側の責任者として、フロントにはチーフを必ず配置します。チーフ役の団員がオンステ(ステージに出演)して不在になることがある際には、代理を必ず指名しておいて、トラブルや判断事にもれなく迅速に対応します。したがって、ロビーの大扉の近くに常に待機していることが望まれます。

 具体的な仕事としては…
 ●ホール側からの問い合わせや要請に対して判断を行う役目。(例:演奏中のドア開閉等々)
 ●緊急時の警察/消防/ホール事務室への通報(例:万一の火事、どなりこみ、お客様のケガ、等々) 
 ●他のフロント要員への指示、配置変更等
 ●開場の判断(ステージマネージャーと連携)
 ●インターミッションの終了適否の判断(主に女子トイレの込み具合による→ステージマネージャーと連携)
 
 基本的にフロント要員は全てチーフの指示通り動くことになりますが、些細なことまで全てチーフに問い合わせが来るのは大変ですので、各フロント要員が対応すべきFAQと、チーフに相談すべき内容をあらかじめ明記した指示書とタイムテーブルを演奏会当日のミーティング等でフロント要員に配布するようにします。

 [例] <FAQ>→各フロント要員が対応
   ・トイレの場所
   ・飲み物(バーカウンター、自販機等)の場所
   ・インターミッションや終演の予定時刻
   ・レセプション会場の場所
   ・レセプションチケットの販売場所
   ・レセプションの入場料
   ・楽屋への出入り→原則禁止。フロントチーフに相談
   ・喫煙所の場所

 上記に当てはまらない事項は、各マネージャーが勝手に判断せず、チーフまたはチーフ代理に相談するように指示します。

 私がマネージャーをするときは、ほとんどこのフロントチーフを担当します。

苦労すること

 様々な判断を求められるケースが多く、中でも困りものはクレームと忘れ物です。

 以前の演奏会での実話です。すでに演奏が始まっているときに、お客様(見た目は50台半ばの、身なりの良い紳士)が、フロントの通路で大声でどなり始めました。駆けつけてみると、演奏中なのに客席に入ろうとしてドア担当に止められたことで、もみ合いになっているようです。

 「演奏中の客席への出入りは禁止だと言うことが、書面ないし場内アナウンスで明示されていない。よって私は客席に入る権利がある。それを認めないのであれば、不法行為としてお前(=私)に損害賠償と慰謝料を請求するぞ」

「他のお客様のご迷惑になりますのでご遠慮下さい」の一点だけで押し通し、結局演奏終了まで客席には通しませんでした。損害賠償と慰謝料については、当然無視。どうせ大した金額にならないし、請求するほうが金と手間がかかるでしょ。思い通りにならないと騒ぐ性格の方はどこにでもいますから。フロントの責任者として、クレームには毅然とした態度で臨むだけです。

 演奏中は扉を開閉しないということは、クラシック音楽の演奏会にとっては「常識」だと思っていたのですが、必ずしもそうではないようです。しかし、だからといってアナウンスでわざわざ注意する気にもなれません。携帯電話や時計のアラーム音を長々と注意するアナウンスだけでも恥ずかしいと思っているのに、これ以上注意を増やすのはいかがなものかと…。

忘れ物対応も困るのです

 必ずあります、忘れ物。傘、メガネ、ハンカチ、etc.

 楽屋だったら出演者の持ち物に違いないので主催者側で持ち帰りますが、客席のものはどこの誰のものだか見当がつかないので、ホール側に預かっていただくようお願いをします。しかし、「持ち込んだものは全て主催者側で持ち帰り」という原則論を前面に出されて、預かってもらえないこともあります。(開場前確認をきちんとしたかが重要です。詳細は「⑥場外整理・場内整理」をご覧ください)

 ホール側に快く預かってもらうためには、日頃の評判の維持と、事務所への挨拶等による良好な関係維持、それと「開場前確認」の確実な実施が重要だと思います。「開場前確認」とは、開場直前に客席や通路を見渡し、汚れ・ゴミ・忘れ物を取り除く作業です。ステージリハーサル(ステリハ)中に自分の荷物を客席に置いたままにしている団員も時にいるものです。開場前確認を綿密に実施しておいたことを説明できれば、終演後に見つかった忘れ物は「ご来場されたお客様のものであることは確実」ということになり、ホール側で預かってもらいやすくなります。

ホールとの打ち合わせ・確認事項

 本番当日の1ヶ月前程度に、ホール側との事前打合せを実施します(ホール事務局から日時を指定されて、ホール側から質問や注意事項の説明をいただくケースが多いです)。通称「1か月前打ち合わせ」などと呼んでいます。

 フロントだけでなく、ステージマネージャーも含めての打合せになりますので、お互い質問事項等を持ち寄ります。慣れないホールの場合は、可能であれば、打合せ後などの時間を使って、ホールの下見をさせてもらえればベターです。

 下見のときには、フロント側では以下のことを確認します。

・場内整理の人数
  →ホールによっては各ドアに一人ずつドア担当が必須とされることもありますが、指定がない場合は何人でドアコントロールが可能か、図面だけではわかりにくいので、実際に確認します。この決め方で、フロント要員が何人必要になるか大きく異なってきます。

・ブースの位置
  →当日売り、当日預かり&当日精算、招待者受付、花束受付、物販等のブースの位置を決めます。貸出用のテーブルや椅子がどこに何個あるかも確認しておきます。

・喫煙所の場所
  →お客様から質問が多いので、あらかじめ調べておき、当日のフロント要員への指示書に書き込んでおきます。最近は屋外のホールがほとんどになりました。目立たずわかりにくい場合が多いので実際に行って確認しておくことをお勧めします。

・お客様の動線の確認
  →お客様は大抵の場合、流れに乗って同じ方向へ集中して歩いてしまいますので、自由席の場合、なるべくお客様が分散して座っていただけるように誘導する必要があります。お客様の流れを予測して、「こちらにも良い席がございます」等の場内整理の声掛け要員を立たせる場所を見定めておきます。また、段差等、注意すべきものが無いか、実際に歩いて見ておきます。

・フロントの控室の有無
  →フロント側にフロント要員用の小部屋があると、手伝い要員の荷物置き場や梱包物等のゴミの一時置き場にできるので便利です。控室が無い場合は、お客様に見えないように荷物を整理する必要が生じます。パンフレット等のダンボールは花束受付で活用できますが、チラシなどの梱包紙はかなり嵩張りますので、どうやってお客様の目から見えないようにするか、ホールの係員と相談しながら決めていきます。

・クローク
  →大変な労力になりますし、慣れている人でないとコントロールが難しい仕事です。紛失等のトラブルが発生しやすいので、座付きの要員がいないホールでは閉鎖した方がいいと思います。

・親子室等の有無
  →乳幼児用の部屋や、一時預かりの保育室の有無を確認しておきます。

・エレベーターの位置
  →車椅子などのお客様が来た場合の動線を確認しておきます。また、最近はお客様の高齢化が進んでいるので、なかなか2階席に上がってくれません。2階席への誘導に使えるかも確認しましょう。



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