衆議院議員選挙に際して – 増税・減税の政策をみる(Echotamaのブログ)

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衆議院議員選挙の投票日が近付いてきました。どの党も耳障りの良い言葉を並べています。中でも個人の減税に触れる党は多くあります。一方企業に対しては増税や、全く触れないなど態度が分かれるようです。

まず法人への税制優遇が本当に行われているのか調べてみました。すると2000年の実効法人税率は40.9%、2020年の実効法人税率は29.7%。やっぱり企業が優遇されている!と早とちりしてはいけません。OECD加盟37国の中で2000年はビリから4位。2020年はビリから6位です。つまり国際的に日本の法人税率は高く、多国籍企業が進出しにくい国なのです。しかもどの国も優良な多国籍企業を誘致したいがために減税合戦をしている。その中で日本は涙ぐましい努力をしてきたというのが実情ではないでしょうか。
出典:不破雷蔵 https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20210228-00224022

法人税率の値下げ競争を正常化するため、ようやくつい先日の10月8日に最低税率15%に合意がされましたが、なぜかあまり大きなニュースになりませんでした。国の税収を左右する重大な問題なのに。
出典:法人税の大幅見直しで136カ国合意、最低税率15%に-OECD – Bloomberg

こういう世界情勢の中で、「法人税率を上げて個人に還元」などできるのでしょうか?選挙用に耳障りの良い言葉を並べただけとしか思えません。しかも日本はただでさえ少子高齢化で市場としての魅力が減っている。法人税率を上げたらみんな海外に逃げていきますよ!少子高齢化も失政と言わなければならないでしょうけれど。

個人についてはどうでしょう。大きく分けるとヨーロッパ型(北西)とアジア・アメリカ型になります。乱暴な言い方をするとヨーロッパは福祉国家型で、非常に税金が高い。日本を含むアジア・アメリカ型は税金が安くて、一見金持ちが得しているように見えます。
出典:財務省(国税庁) https://www.nta.go.jp/taxes/kids/hatten/page13.htm

アメリカは高所得者層にWASPが多い。特にプロテスタントは重要です。収入は是ですから、本人がもらう権利がある。しかし、儲けた者は救済の証として施しする義務がある。ビル・ゲイツは財団を作ったし、最も格の高いホールはカーネギーホールだし、リンカーンセンターはロックフェラー財団です。ベーシックインカムは国家や州ではなく富裕者の寄付によって賄われているのです。(日本では高級官僚はいばっていますが、アメリカでは公務員は安月給だし、すぐ首を切られるし、高学歴の者がする仕事ではないと思われていますよ)

一方日本では、富裕層の税率はアメリカ並みですが、孫正義ホールはない(東日本大震災復興財団はありますが、5兆円の資産に比べて100億円はちょっとさびしい)し、柳井正センターもない(京都大学等に100数十億円寄付していますが、こちらも4兆円の資産あり)。

一方で日本の低所得者層の税負担はアメリカ以上です。岸田首相は「中間層の底上げ」と言っていますが、ちょっと間違っていませんか?底上げすべきなのは低所得者層なのではないですか?中国との競争で賃金を上げるのは難しい。雇用の流動性を高めるために派遣労働の増加と、正社員でもジョブ型雇用の導入が増加しています。しかもそこにコロナ禍が追い打ちをかけている。ベーシックインカムとしていくべき生活保護や障がい者年金は蔑み・差別の対象にすらなっている。日本は、ヨーロッパともアメリカとも違う、貧しい国になってしまったのです。

私なりの結論を言えば、法人税率アップは非現実的です。多国籍企業を呼び込むとともに、日本発のスタートアップを育てていく。貧富の差にかかわらず能力のある者は相応の教育を受ける機会を持ち、同調圧力よりも創造性を尊重するように、教育も変わらないといけません。そして富裕層への課税率をヨーロッパ並みに引き上げていき、ベーシックインカム(生活保護、障がい者年金、奨学金等)の仕組みをきちんと作り充実させていく。繰り返し述べます。「『中間層の底上げ』ではなく『低所得者層の底上げ』」。岸田首相が尊敬しているという池田勇人元首相の高度成長期のイメージも、おそらく当時の中間層=低所得者層だったと思うのです。



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