金融緩和の効果を認めた野口悠紀雄氏(Echotamaのブログ)

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毎日新聞のネット記事を読んで驚きました。「独り負けの円安『止める手段、一つだけある』野口悠紀雄氏の答え」という見出しで、野口悠紀雄氏のインタヴューを掲載しています。有料記事なので一部だけ引用します。

https://mainichi.jp/articles/20220428/k00/00m/020/215000c

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日銀に苦言「原点に戻れ」
 ――日銀は何をすべきでしょうか。

 ◆輸入価格の高騰を抑えるため、すぐに政策変更すべきです。具体的には長期金利の変動上限を「0・25%」から、物価上昇分を織り込んだ「2%」に引き上げるだけでも日銀が金融緩和路線の修正に動いたことがアピールできる。仮に今後、原油価格が下落して物価水準が落ち着いてくれば、それに合わせて上限を調整すればいい。

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「金融緩和路線の修正」と日銀を批判するのは想定の範囲内でしたが、「物価水準が落ち着いてくれば、それに合わせて上限を調整」と言うとは思いませんでした。金利でのマクロ調整は「あり」なのですね?

先般の私の投稿に興味を持っていただいた方なら、私がリフレ派を支持していることはお判りだと思います。実は前日銀副総裁の若田部昌澄氏が早大の助教授だった頃(2003年)から、著書を愛読していた生粋のリフレ派です。リフレとはリフレーションの略で、マイルドなインフレーションのことです。日本ではアベノミクスで2%の物価上昇率目標(インフレターゲット)を定めており、2%以下であれば金融緩和、2%を超えれば金融引き締めを行なおうとするものです。時々インフレターゲット政策をハイパーインフレを招くという政治家、政党、新聞(特に朝日新聞)がありますが、あくまで「マイルド」であって、単純な誤解か無知です。私が金融引き締めを支持するのは、2%を確実に超えるのではないかと予想したからであり、2%を下回るなら金融緩和でインフレに誘導すべきだと考えています。

野口氏は、民主党政権になる前(2009年まで)に自民党が唱えていた「構造改革」のイデオローグです。日本の経済には1940年の戦時体制の旧弊が残っていて非効率が存在しているから、マクロ政策は効果はなく、デフレから脱却できず景気が上がらない。したがってまず「聖域なき構造改革」をすべきである。当時はエコノミスト(毎日新聞)や東洋経済、日経ビジネスなど、こぞって「構造改革」を持ち上げていたものです。その間に、日銀はバブルを止めるためだった金融引き締めを継続してしまい、デフレを長引かせてしまったと私は考えています。悪い言い方をすれば、野口氏は金融緩和を遅らせデフレを長引かせた中心人物です。その野口氏に今インタヴューに行くのはさすがに毎日新聞らしいですが、今の野口氏は「構造改革」のコの字も言わず、日銀を批判しつつも、物価が下がれば金融緩和ありだと言っているのです。

ややこしいのは、アベノミクスは経済政策としては革新的です。民主党の方が保守的だったのに、自民党に批判的な朝日新聞は政策の中身はさておき批判に回ってしまいました。自民党は下野中に経済政策を見直して、党内でも異論が強かった金融緩和政策をとったわけです。政権交代の長所でしょう。日銀も黒田東彦総裁になり守旧派は一掃されたように見えます(まだ潜んでいるかもしれませんが)。

私はアベノミクスは評価しています。バブル崩壊後の「失われた20年」の間に「構造改革」と言ってパッチワーク的につなぎ合わせた政策を見直して、マクロ経済の壮大な実験に挑戦したのです。そしてその挑戦はまだ継続中だと考えます。黒田総裁が、まだ「金融緩和路線の修正」に踏み切らないのは、リフレ政策自体を見直したという誤ったメッセージとして受け取られるリスクを恐れているのかもしれません(たぶんそんな報道は出てしまうでしょう)。繰り返しますが、私はリフレ政策を支持しています。今の日銀を批判する気はありません。

岸田政権になり、時計の針を戻そうとしている気配を少々感じています。一有権者として、今の日本にどのような経済政策が必要なのかよく考えたうえで、次の参院選で貴重な権利を行使したいと思っています。



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