黒人霊歌(第34回東京六大学合唱連盟定期演奏会、第110回定期演奏会)(Echotamaのブログ)

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 これは名演というより怪演というほうがふさわしいかもしれません。

 慶應ワグネルのリズム感改造計画の第一弾として、北村協一先生が用意したのは、男声合唱のスタンダードである黒人霊歌でした。しかしスタンダードなのは他の男声合唱団にとっての話。ワグネルは、レギュラーの演奏会で黒人霊歌を取り上げるのは昭和35年の学生指揮者ステージ以来、なんと実に25年ぶり。愛唱曲としてもRide the Chariotが歌われているくらいでした。この話を聞いた北村先生は「黒人霊歌を歌わない男声合唱団なんてあるか?」と相当困惑している様子でした。

北村協一先生

 しかもワグネルの団員は「思いをこめて、歌を歌いきる」という意識が非常に強く、黒人霊歌の歌そのものにノッていくことができません。リズム感をどうこうする以前の問題として、「ハモリ(ハーモニー)やリズムを楽しむ」というということがどういうことなのかすら分からず、暗中模索のなかで違和感を抱えたまま演奏せざるを得ない状況でした。この違和感は六連時はもちろん定期演奏会時でも続いていました。

 しかし、ワグネルは「声を持っている(北村先生談:110回定演プログラムより)」合唱団ですから、結果的に「重厚長大なロマン派の黒人霊歌」が歌い上げられることになり、不思議な演奏効果をあげていました。六連の演奏後、北村先生のところに挨拶にきた女性の聴衆(おそらくワグネル女声合唱団のOG)が「感動しましたー!」と言っていて、北村先生が苦笑していたのを記憶しています。



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