もう総選挙から2週間が過ぎてしまいました。大方の見方は立憲民主党が敗北し、枝野幸男代表が辞任。既に次の代表は誰になるのかという話題に移っています。
本当に立憲民主党は敗北しているのでしょうか?
今さら何を言っているんだと思われるかもしれません。たしかに現有議席109を96に減らしたのは事実です。
https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/shugiin/2021/
しかし4年前を思い出していただきたいのです。
https://www.nhk.or.jp/senkyo/database/history/
もう遥か昔のことのようですが、小池百合子都知事が結成した都民ファーストの会が旧民主党の一部を吸収して「希望の党」として国政に乗り出し、いわゆる「風が吹いた」のです。一時は自民党の支持率にまで迫る勢いでしたが、小池氏自身が立候補しないことを表明してから情勢は一変。そして「排除の論理」で入党を拒否された議員たちが作った立憲民主党に同情票が集まり野党第一党になります。しかしながら確保した議席数は追加公認も含めてわずか55議席。希望の党は50議席でした。その後、希望の党解党等により立憲民主党と国民民主党におおむね再編されるわけですが、選挙時には、希望の党の小池旋風が吹いても、両党合わせて105議席しか確保できなかったのです。
しかも希望の党は日本維新の会と提携関係にありましたから、日本維新の会は関西圏でしか候補者を擁立しておらず、同党を支持する関西圏以外の有権者は希望の党に投票していたはずです。今回は希望の党は存在せず、日本維新の会は全国に候補者を擁立しています。「日本維新の会に風が吹いた」と判断するのは性急というものでしょう。吉村大阪府知事、小池東京都知事を支持する有権者は全国にいるということが示されただけにすぎないと考えます。
また、希望の党がなくても、共産党と共闘しても、風が吹かなくても、立憲民主党と国民民主党は前回の合計105議席を維持できた(今回合計107議席)のですから、連合の芳野友子会長の「組合票が行き場失った」という批判ははたして合っているのでしょうか?
https://news.yahoo.co.jp/articles/e6b81754b627e5e69d115a9272b289c2b59f489f
立憲民主党の代表に誰がなるのかわかりませんが、現在の共闘関係を安易に見直すのは決して各党にとって得策ではないと思います。あ、自民党にとってはありがたいことですね。
ただ、1点首を傾げてしまうのは、共闘しているはずなのに、共産党だけ「ぶれずに、つらぬく」と言っているのは、共闘関係全体が共産党側にシフトしている印象にしかなりません。ああ、やっぱり共産党ってこういう党なんだな、とか、共闘って共産党の主張を丸呑みすることなのかな?とか思ってしまうわけですよね。