慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団第147回定期演奏会(Echotamaのブログ)

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2022年12月26日に東京芸術劇場コンサートホールにおいて慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団の第147回定期演奏会が開催されました。1OBとして贔屓目で聴いてしまっているところは何卒お許しください。

まず安心したのは、コロナ下であっても約50名の団員が維持できていること。1年生も11人います。もちろん100人の合唱を経験してきた身としてはもっと団員が欲しい気はするのですが、プログラムに掲載された佐藤正浩先生のインタヴューにおいて「『(前略)人数を倍にして。今までできなかった大人数でやる曲をやりたい』とは思っていない。実は。」という言葉を目にして少々驚いたのでした。てっきり私は佐藤先生が人数の制約を感じているとばかり思っていたのです。今の規模でも現状と向き合う方向を目指しているのであればとりあえず喜ばしいことです。

今年から客席のソーシャルディスタンス確保が緩和され、並んで座ることも可能となりました。客席の埋まり具合は約7割というところでしょうか。おそらく1400人程度のお客様が足を運んでいただいたものと思います。コロナ下でフルにお客様を入れたのは3年ぶりですが、動員力が戻ってきているのも大変うれしく思いました。これほどの動員力を維持できている団体は少ないと思います。

肝心の音楽の方は、1ステージと5ステージが三善晃先生の作品で、全体をサンドイッチにしたような構成。技術的に困難なところも難なくこなしています。学生指揮者のステージ以外は全て新曲です。練習場と練習時間の確保にも困っているはずですが、その苦労を感じさせないのはさすがです。辻裕久先生のホルストも佐藤先生のオルフもよく歌い込まれていました。

しかも声の音質がいい。独特の明るい音色で、声楽的に高いレベルで良くハモっています。ソリストが多数出てきましたが、全員かなりの水準です。私たちの現役時代は、全員がソリストをこなせるわけではなく、ソリスト以外の団員は、幾人かのソリストの連結器として隙間を埋める役目を果たしていました。それが今は全員がソリストであり、アンサンブルもきちんと意識できていて良くハモり、連結器の役割も果たしている。私たちの頃とは違ったかたちで進化しているのです。

しかも感心するだけでなく、聴いて心が満たされ、感動が溢れるのはワグネルならではです。

3時間弱の演奏会でしたが、中だるみすることがなく、最後まで一気に聴くことができました。お客様も皆さん満足して帰っていただいたのではないでしょうか。147回演奏会も名演奏として語り継がれるでしょう。

ワグネルは「クレッシェンドあるのみ」。今年も進化を見届けることができました。これからの一層の発展が楽しみです。