地方の公立高校よ復権せよ(Echotamaのブログ)

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私が信州出身だと言うと「教育県ですねー」とよく言われます。結論から先に言えば、今もその気風は若干残ってはいるものの、基本的には昔の話なのです。明治初期には、小学校の就学率も寺子屋の数も全国一だったとか。理由は諸説あるので触れませんが、師範学校の教授も、卒業生の教師たちも「信州教育」という特別な誇りを持っていたようです。

住民たちも、今でも教育予算は比較的惜しまない風潮があります。私個人としても、自分の子供の小学校(公立)の図書館に行ったとき、故郷の母校の小学校とあまりに違うので驚きました。蔵書の数はおよそ半分にも満たないでしょうか。これでは知的好奇心を満たす場には程遠いです。

ところが、私が田舎にいた頃からすでに信州教育の凋落が指摘されていました。進学実績が他県より劣ってしまったと。現在はますますひどい状況です。東大に入ればいいってもんではありませんが、比較しやすいので例示すると、戦前の旧制中学からの歴史がある高校の今春の東大合格者数は、飯山0、須坂0、長野6、屋代2、上田3、野沢北0、大町岳陽0、松本深志2、松本県ケ丘0、木曽青峰0、諏訪清陵1、伊那北2、飯田0です。東大の1学年の定員3000人のうち、たった16人でしかありません。特に松本深志と飯田の凋落は信じ難いです。

地方の公立高校の凋落は各所で指摘されていて、「都会の優秀な受験生にかなわない」というのが定説になっているので、長野県だけの話ではないとしても、なぜか富山県は驚くべき東大合格実績をあげています。富山6、富山中部20、高岡10、合計36人です。長野県の人口が200万人、富山県100万人です。富山中部高校1校だけで長野県全体の合格者数を上回っています。これをどう考えたらよいのでしょうか?富山県ができるのなら、他の地方県もできるのでは?

なにも進学実績をあげることだけが良いことだとは思いませんが、受験生はせっかく努力して受験勉強をするのですから、改善すべき点はないでしょうか。改善することなしに、無駄な努力をさせていることがあるとすれば、受験生たちがかわいそうです。

今や独学で東大に入る子供は絶滅危惧種です。都会の金持ちで、進学実績を競う中高に通い、受験テクニックを磨いた子供たちが圧倒的多数になっているのですよ。階級の固定化です。そういえば「親ガチャ」といういやらしい言葉も出回っています。田舎の「地頭」の良い子供たちに、もっと力を貸してあげられないかと思うのです。