木下保先生の「やまとことば」(Echotamaのブログ)

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 「やまとことば」は、日本歌曲において、日本語が日本語として明瞭に美しく聴こえるようにするための歌唱の手法として、木下保先生ご自身がまとめ上げたものです。日本の声楽界の草創期に、木下先生は欧州留学を経験する中で、「日本人であれば日本語の歌をきちんと歌えなければならない」という思いを強くしていました。しかし、日本語をどのように扱って声楽として表現するのか、あらかじめ答えなどありませんでした。その中で、木下先生が自らの感性をもって初めて編み出した手法が「やまとことば」だったのです。

木下保先生

 慶應ワグネルが海外の曲を多く取り上げているにもかかわらず、日本の曲についても高い評価をいただいてきた理由の一つに、この「やまとことば」の存在があったことは疑いないだろうと思います。

 木下保先生について述べるとき、「やまとことば」への言及は不可欠と思いながらも、木下先生のご指導を経験したことがない私がそれを語ることはふさわしくないように思われ、いままで逡巡し続け、結局のところ書けないままでいました。

 しかしながら、「やまとことば」についての情報量が乏しくなりつつある現況においては、私のような外野からの声も害にはならないだろうと思い、ちょっと勇気を出して、「やまとことば」の業績の高みを認識しつつ、あらためて残された音源を辿っていきたいと思います。