岩波神保町ビルの解体工事が始まりました。
神保町交差点に聳え立つ、神保町の顔。
岩波ホールと高野悦子さんを思い出した方もいらっしゃるでしょう。(残念ながら私は面識はありませんでしたが)
1967年築。
反復する白い外壁と窓がつくる、端正なファサード。昭和モダニズムを代表する建築のひとつです。設計者は芦原義信。
芦原義信の代表作には、
駒沢オリンピック公園総合運動場 1964年
銀座ソニービル 1966年(解体)
富士フイルム東京本社ビル 1969年
旧第一勧銀本店ビル 1981年(解体)
東京芸術劇場 1990年
更埴文化会館(長野県千曲市) 1990年
などがあります。
芦原建築で私が惹かれるのは、建物だけで完結せず、人の集まる外部空間をつくることです。
人が集い、文化が発信され、記憶される。
慶應ワグネルの事実上の本拠地でもある、池袋駅前の東京芸術劇場はその典型でしょう。岩波神保町ビルも、まさにそうでした。
残念だったのは、取り壊しにあたって、この建物そのものをどう記憶していくかという議論が、広く起きたようには見えなかったことです。
岩波ホールはすでに4年前、2022年に閉館しました。
そして今度は、その入れ物自体がなくなります。
思い出がある皆様のために、神保町交差点の写真をお送りします。
雨です。

撮影:2026年9月16日 解体用の足場が組まれ始めています。
