合唱界の「新風」はすでに吹いていた!(Echotamaのブログ)

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慶應義塾高等学校が甲子園で優勝し、「高校野球に新風」という論調が多く見られます。様々な観点がありますが、私が注目すべきだと思ったのは、その練習時間の短さです。慶應は1日わずか2時間の一方で、他の強豪校が合宿所に寝泊まりし、深夜まで野球漬けなのは周知の事実。長時間ハードな練習を積み重ねなければならないという「常識」を破ったところは、まさに「風穴を開けて新風を吹き込んだ」と言って良いでしょう。

一方合唱界では現在NHK全国学校コンクール、全日本合唱コンクールともに各地で予選が行われています。どの団体もより高い成績を目指して激しくしのぎを削っています。私は、芸術は得点で決まるものではないし、技術の巧拙はあっても感動の多寡はコンクール成績とは異なると考えているので、慶應がコンクールに出ないことを含め、外野から眺めているのですが、コンクール成績は団や学校のアピールとしてわかりやすいこともあり、東西四大学の盟友である関学と同志社も含め、多くの団体がコンクールに出場しています。

私が現役の学生だった時も、他団体が練習の見学に来る時がしばしばありました。聴き終わった後に感想を一言求めるのですが、残念ながら的を射た回答をいただけることはまずありませんでした。中には、たまたま先生が休憩なしで2時間続けてご指導をしたことを見て「休憩無しなのがすごい」という言葉を言われて苦笑したこともありました。私たちも、自分で言うのはおこがましいですが、なぜ慶應ワグネルが高いレベルの演奏ができるのか、自分たち自身でもよく説明できないのではないでしょうか。伝統と一口に言ってしまえばそれまでですが、では伝統とは何ぞやと言われると困ってしまうのです。

練習時間で言えば、私が学生時代には関学、同志社は週6回だったと記憶しています(今は少なくなっていると思います)。一方慶應ワグネルは当時週4回、昨今は週3回で1回3時間です。週に合計9時間しか練習していません。ちなみに我が娘の母校の中高コーラス部は、全国1位を何度か獲得していますが、練習時間は月-金の1時間15分、週合計で6時間15分のみです。しかもどちらも指導者が来るのはわずかな回数です。他の時間は全て学生自身に委ねられています。

6月の東西四大学合唱演奏会で、慶應ワグネルは素晴らしい演奏を聴かせてくれましたが、その半数が4月に入団したばかりの1年生だと知って、驚いた方は多いと思います。2ヶ月余りの短い練習時間で、あのレベルの演奏を聴かせるのは、もちろん先生方のご指導の賜物ではありますが、いかに合理的で効果的な練習をするべきなのかを、学生一人一人が考え、実践し、上級生も新入生を支えていることに他ならないと思うのです。合唱界の「新風」は慶應ワグネルには元々吹いていたと言っては自画自賛でしょうか。

(ワセグリ(早稲田大学グリークラブ)の凄さについてはまた別の機会に)

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