劇場・ホールの相次ぐ閉館に思う(Echotamaのブログ)

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業界関係者には既に広く知られているのですが、東京では今、劇場・ホールの閉館が相次いでいます。

こどもの城(青山劇場(1200席)、青山円形劇場(376席):1985年開館)が2月1日、日本青年館(1360席:1979年開館)が3月31日、五反田ゆうぽうと(1803席:1982年開館)と渋谷公会堂(2084席:1964年開館)が9月30日予定、更には中野サンプラザ(2222席:1973年開館)も取壊し・再整備を検討中だといいます。特に慶應ワグネル関係者にとっては2010年に閉館した東京厚生年金会館(2062席:1961年開館)とともに定期演奏会場として長く使用したゆうぽうとの閉館は一層悲しいことだと思います。開館して30年あまりで「老朽化」とはにわかに信じられません。また、子供さんにバレエを習わせている御宅も多いかと思いますが、青山劇場とゆうぽうとはバレエの「聖地」ですから、ともに閉館となる衝撃は非常に大きいと思います。しかもこれらの施設は「山の手」に集中していて、東京の山の手から一万席以上もの座席が一斉に消えることは、首都東京の文化の振興においても大きな打撃になることでしょう。

在りし日のゆうぽうと

上記のなかでは区営で再建計画のある渋谷公会堂以外は全て国関係の特殊法人等により事業が担われてきました。その背景には文化の振興を錦の御旗にして予算と組織と天下りの役職ポストが割り振られてきた長い歴史があったのだと思われます。しかし、時代が既にそれを許さなくなり、維持費の予算確保が難しくなったことを「老朽化」として、一斉に特殊法人等から文化事業が消えていく事態となったのではないでしょうか。

その結果、露になったのは、日本では国立劇場は伝統芸能を上演する諸劇場を除くと、オペラとバレエ・演劇等を上演する劇場は新国立劇場しかなく、コンサートホールはないという事実です。ヨーロッパの各国で、国営のオペラハウスが一つしかない国、国営のコンサートホールがない国がどこにあるでしょうか?「アメリカにはない」とおっしゃる向きもあるでしょうが、アメリカの諸劇場は寄付文化により支えられています。日本の文化行政がいかに貧困であるか。「ハコ物行政」という批判はありますが、ハコすらないのが日本国の文化行政なのです。

今、オリンピックの主会場となる新国立競技場が論争の的となっていますが、あれだけの予算を使えるのならば、文化面にも少し分けてほしい。率直にそう思います。



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