反田恭平ブーム?(Echotamaのブログ)

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昨年のショパン国際コンクールで2位になった反田恭平さんに注目が集まって、著書「終止符のない人生」も好評のようです。クラシック音楽界としては明るい話題ではあるのですが、ちょっと引っかかるところがあるのです。

ショパン国際コンクールで反田さんが2位、また、小林愛実さんが4位でW入賞。素晴らしいことです。しかし、それをまるで日本の誇りみたいに誉めそやすのはいかがなものでしょうか。優れているのは反田さんたちであって、あなたが偉くなったわけではありません。まして、日本が偉くなったわけではありません。日本のクラシック界が大いに発展した証拠というわけでもありません。

それどころか、日本のクラシック音楽界は明らかに収縮しています。昔は一般的だった習い事としてのピアノは減る一方。音楽大学は軒並み定員割れ。上野学園大学は廃校に向け昨年から学生の募集を停止しました。学生も海外留学者は減る一方です(これは『失われた30年』の経済の停滞も原因の一つですが)。聴衆も高齢の女性に収斂が進み、若いクラシックファンは減る一方で、学生サークルも減っています。クラシック音楽の市場も、CDはもちろん、ネットを合わせても収縮していると言われています。そこにコロナが襲い掛かり、演奏家や演奏団体は青息吐息です。とても日本のクラシック音楽界が次なる反田さんたちを生み出すとは考えにくい状況なのです。

そんな中で、ただ日本人だというだけで、期待の星のように扱うのは馬鹿げています。私たちは反田さんだけでなく、クラシック音楽界全体に目を向けて、衰退の歯止めと、反田さん以外の演奏家の応援や育成を含め、次なる発展を目指さなければならないと思います。

一方で、韓国人の活躍は目覚ましいものがあり、今や日本は完全に追い越されています。韓国は一人当たりの賃金も日本を追い越し、大学進学率は9割で世界のトップです(日本は6割)。音大生もどんどん海外に留学していて、そのまま現地で活躍しており(日本人は留学しただけで日本に帰ってくることが大半です)、「ドイツの歌劇場は韓国人無しでは成り立たない」とすら言われている状況です。韓国人の人口は日本の半分です。前回のショパン国際コンクール(2015年)はチョ・ソンジンさんが優勝しています(日本人は反田さんと内田光子さんの2位が最高)。DNA的には日本人と非常に似通っている韓国人がこれだけ活躍できるのですから、私は喜ばしいことだと思っています。韓国人にできて日本人にできないことはないでしょう。日本が劣化してしまったのは、教育が悪いのか、政治が悪いのか、経済が悪いのか、文化が貧しいのか。

反田さんは「日本に留学生が来るようにしたい」と著書で語っています。そのような文化が花開くように、私たちもどうしたらいいのか、ともに考えようではありませんか。